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赤字・負債がある解体工事業の売却と事業承継

解体工事業の売却・事業承継のご相談を承ります。赤字・債務超過・後継者不在の状況でも、選択肢を一緒に整理し、状況に合った専門家や公的な相談窓口をご案内します。

解体工事業の引き継ぎで評価されうる価値

解体工事の許可・登録、産業廃棄物の収集運搬の許可、重機の保有は、組み合わせで評価されることがあります。許可の種類によって引き継ぎ方で扱いが変わるため、事前の確認が欠かせません。

決算書の数字だけで決まるわけではありません

売却や引き継ぎの可能性は、直近の業績や財務内容だけで決まるものではありません。解体工事業で培った営業基盤・人材・許認可・取引先との信頼は、買い手にとって一から作れない価値として評価されることがあります。一方で、負債・滞納・保証の状況によって取れる方法は変わります。廃業してしまう前に、引き継ぐ選択肢があるかどうかを専門家と確認してみてください。

解体工事業の売却・承継で論点になること

解体工事業では、工事の規模に応じて「建設業許可(解体工事業など)」か「解体工事業の登録(建設リサイクル法)」が必要で、登録は事業譲渡や合併では引き継げません。あわせて、石綿(アスベスト)の事前調査の体制や、解体で出る廃棄物の処理・収集運搬の許可も、承継の際に確認される論点になります。

解体工事業の売却・承継で見られるポイント

赤字・負債があっても評価されうる点

  • 建設業許可(解体工事業)または解体工事業の登録と、技術管理者・営業所技術者になれる有資格者の在籍。
  • 石綿含有建材の事前調査ができる有資格者(講習を修了した調査者など)の在籍。2023年10月から、建築物の事前調査は有資格者が行う必要があります。
  • 重機・ダンプ・アタッチメントなどの設備と、産業廃棄物の収集運搬業許可の保有。
  • 空き家の解体などで取引のある工務店・不動産会社・自治体とのつながり。

買い手・専門家が確認することが多い点

  • 石綿の事前調査と結果の報告(2022年4月から一定規模以上の工事で義務化)を適切に行ってきたか。
  • 解体で出た廃棄物を適正に処理してきたか(産業廃棄物管理票(マニフェスト)の管理、不法投棄や過剰な保管がないか)。
  • 重機のリース・割賦の残債と、資材置場・重機置場の土地が自社所有か賃借か。
  • 工事中の事故・近隣トラブル・損害賠償の有無と、保険の加入状況。
  • 技術管理者(登録の要件)や営業所技術者(許可の要件)が、承継後も在籍するか。

主な許認可と、引き継ぎ方による違い

会社ごと引き継ぐ「株式譲渡」と、事業だけを引き継ぐ「事業譲渡」では、許認可の扱いが異なることがあります。 要件や手続きは個別の事情・自治体の運用で変わるため、実際には所管の行政庁や行政書士などの専門家に事前確認が必要です。

許認可株式譲渡(会社ごと)の場合事業譲渡の場合
解体工事業の登録建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(建設リサイクル法)登録は会社に残ります。役員や技術管理者などが変わった場合は、変更の日から30日以内に届出が必要です。建設リサイクル法には登録の承継の規定がなく、譲り受ける会社が自ら登録(または建設業許可)を受ける必要があります。登録は解体工事を行う区域の都道府県ごとに受け、5年ごとに更新します。合併で会社が消滅した場合は30日以内に届出が必要で、登録は効力を失います。土木工事業・建築工事業・解体工事業の建設業許可を持つ会社は、登録は不要です。
建設業許可(解体工事業)建設業法許可は会社に残ります。常勤役員等・営業所技術者の在籍が引き続き必要です。承継の前に許可行政庁の認可を受ければ、事業の全部の譲渡で許可を承継できます(2020年10月から)。認可がなければ、譲受人が自ら許可を受ける必要があります。解体工事業の許可区分は2016年6月に新設されました。1件500万円未満の工事のみを請け負う場合は建設業許可は不要ですが、その場合は解体工事業の登録が必要です。
産業廃棄物収集運搬業許可廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)許可は会社に残ります。役員や発行済株式の5%以上を持つ株主などが変わった場合は届出が必要で、新たな役員(取締役と同等以上の支配力をもつ人を含む)が欠格要件に当たると許可は取り消されます。廃棄物処理法には処理業の許可を承継する規定がなく、譲り受ける会社が自ら許可を受ける必要があります。解体工事で出る廃棄物は、原則として元請業者が排出事業者となるため、下請として廃棄物を運ぶ場合などにこの許可が必要になります(例外あり)。許可は積み降ろしを行う都道府県ごとに必要です。

赤字・負債がある解体工事業で気をつけたいこと

解体工事業の会社には、建設業許可・解体工事業の登録・産業廃棄物の収集運搬業許可など、複数の許認可を組み合わせて営業しているところもあります。株式譲渡ならこれらは会社に残りますが、事業譲渡では登録や産廃の許可は引き継げず、譲り受ける側で取り直しが必要になるため、承継の方法によって営業できない期間が生じるかどうかが変わります。

石綿の事前調査・報告を怠っていた工事や、廃棄物の不適正な処理があった場合は、承継後に行政指導や処分、原状回復の費用として表面化するおそれがあります。赤字で現場の管理が手薄になっていた時期がないか、記録で確認できるようにしておくことが大切です。

解体工事業の売却・承継でよくある質問

Q. 解体工事業の登録は、事業譲渡で買い手に引き継げますか?

A. 建設リサイクル法には登録を承継する規定がないため、事業譲渡の場合は、譲り受ける会社が自ら登録(または建設業許可)を受ける必要があります。株式譲渡で会社ごと引き継ぐ場合は、登録は会社に残り、役員などの変更を30日以内に届け出ます。登録は都道府県ごと・5年ごとの更新なので、登録している都道府県と有効期限を一覧にしておくと、専門家や買い手との話が進めやすくなります。

Q. 石綿(アスベスト)の規制強化は、会社の承継にどう関係しますか?

A. 2022年4月から一定規模以上の解体・改修工事で石綿の事前調査結果の報告が義務になり、2023年10月からは建築物の事前調査を講習修了者などの有資格者が行う必要があります。有資格者が在籍し、調査・報告の記録がそろっている会社は、規制に対応した体制として評価される可能性があります。反対に、記録が残っていない工事がある場合は、買い手が詳しく確認することが多い点です。

参考にした公的な情報

情報の確認日: 2026年9月24日

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