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赤字・負債があるレストラン・食堂の売却と事業承継
レストラン・食堂の売却・事業承継のご相談を承ります。赤字・債務超過・後継者不在の状況でも、選択肢を一緒に整理し、状況に合った専門家や公的な相談窓口をご案内します。
レストラン・食堂の引き継ぎで評価されうる価値
立地・常連客・レシピと味の継承・スタッフの体制が評価対象です。造作譲渡(居抜き)から会社ごとの承継まで、規模に応じた方法があります。
決算書の数字だけで決まるわけではありません
売却や引き継ぎの可能性は、直近の業績や財務内容だけで決まるものではありません。レストラン・食堂で培った営業基盤・人材・許認可・取引先との信頼は、買い手にとって一から作れない価値として評価されることがあります。一方で、負債・滞納・保証の状況によって取れる方法は変わります。廃業してしまう前に、引き継ぐ選択肢があるかどうかを専門家と確認してみてください。
レストラン・食堂の売却・承継で論点になること
赤字や借入があっても、立地・厨房設備・常連客・料理人やスタッフが残っていれば、店として引き継ぐ道が検討されることがあります。論点になりやすいのは、店舗の賃貸借契約を引き継げるか、飲食店営業許可をどう引き継ぐか(2023年12月からは事業譲渡でも許可の地位を承継できます)、そして借入やリース残債の扱いです。
レストラン・食堂の売却・承継で見られるポイント
赤字・負債があっても評価されうる点
- 駅前や商店街など人通りのある立地と、その店舗を借りる権利(賃借権)。
- 厨房機器・排気設備・内装などの造作。新たに出店するより初期投資を抑えられる点が評価されることがあります。
- 常連客や、宴会・法事などで繰り返し利用する固定客、地域で知られた屋号。
- 料理長やスタッフの技術と、味を再現できるレシピ、仕入れ先との関係。
- 保健所の営業許可を受けた施設で、衛生管理の記録を付けながら営業を続けていること。
買い手・専門家が確認することが多い点
- 店舗の賃貸借契約。事業譲渡で賃借権を譲るには貸主の承諾が必要で(民法第612条)、株式譲渡でも株主や代表者が替わるときに通知・承諾を求める条項がないか確認されます。
- 厨房機器やレジなどのリース契約の残債と、名義変更・中途解約の条件。
- 借入金・税金・社会保険料・仕入先への未払い。株式譲渡では、これらの債務も会社に残ったまま引き継がれます。
- アルバイトを含む労働時間の管理と、未払い残業代の有無。
- 許可を受けた後に、届出をしないまま増改築や設備の変更をしていないか。届出漏れがあると、譲り受けた側が変更届や新たな許可を求められることがあります。
- 施設ごとに置く食品衛生責任者を誰が引き継ぐか。経営者自身が責任者だった場合は、後任を決める必要があります。
主な許認可と、引き継ぎ方による違い
会社ごと引き継ぐ「株式譲渡」と、事業だけを引き継ぐ「事業譲渡」では、許認可の扱いが異なることがあります。 要件や手続きは個別の事情・自治体の運用で変わるため、実際には所管の行政庁や行政書士などの専門家に事前確認が必要です。
| 許認可 | 株式譲渡(会社ごと)の場合 | 事業譲渡の場合 |
|---|---|---|
| 飲食店営業許可食品衛生法第55条・第56条 | 許可を受けているのは会社なので、株式譲渡で株主が替わっても許可はそのまま続きます。代表者の氏名など申請時の記載事項が変わった場合は、保健所に変更を届け出ます(食品衛生法施行規則第71条)。 | 2023年12月13日施行の法改正により、営業を譲り受けた人が「許可営業者の地位」を承継できるようになりました。譲り受けた人は、譲渡契約書の写しなど譲渡を証する書類を添えて、遅滞なく保健所に届け出ます。承継後6か月以内に、保健所などが少なくとも1回、営業の状況を調査することとされています。相続・合併・会社分割でも地位は承継され、届出が必要です。営業の一部だけの譲渡は対象外とされ、設備(造作)の売買だけでは営業の譲渡にあたらない場合もあります。許可は施設ごとのため、店舗を移転する場合は新たな許可が必要です。個別の扱いは管轄の保健所への事前確認が必要です。 |
赤字・負債があるレストラン・食堂で気をつけたいこと
飲食店は、食材費・光熱費・人件費の上昇と借入の返済が重なると赤字になりやすい業種です。一方で、厨房設備・内装・立地は新しく出店する人にとって大きな初期投資にあたるため、赤字の店でも「設備と場所」に価値を見いだす引き継ぎ手がいる場合があります。
引き継ぎ方は、会社ごと引き継ぐ株式譲渡と、店の営業だけを引き継ぐ事業譲渡に大きく分かれます。株式譲渡は許可や契約がそのまま続く一方、借入や未払いなどの債務も会社に残ります。事業譲渡は引き継ぐ範囲を選べますが、賃貸借契約・リース・雇用などを一つずつ移す手続きが必要です。
個人経営の店を家族や従業員に譲る場合や、個人事業を法人にする場合も、営業の譲渡として承継の届出ができます。ただし、法人の登記事項証明書だけでは営業を譲り受けたことの証明にならないとされているため、譲渡を示す契約書などを用意します。
レストラン・食堂の売却・承継でよくある質問
Q. 店を閉めずに、従業員や知人に引き継いでもらうことはできますか?
A. 営業そのものを譲る「事業譲渡」なら、2023年12月からは譲り受けた人が飲食店営業許可の地位を承継でき、保健所への届出で足ります。ただし、店舗の賃貸借契約を移すには貸主の承諾が必要で、厨房機器のリースや借入の扱いも個別に決める必要があります。施設を無届で増改築していた場合などは、新たな許可が必要になることもあります。手続きは管轄の保健所に、税金や契約の整理は税理士・弁護士などの専門家に、事前に確認してください。
Q. 借入が残っていて赤字です。店を引き継いでもらうと借金はどうなりますか?
A. 株式譲渡では、借入は会社の債務として会社に残り、引き継ぐ側が会社ごと負う形になります。事業譲渡では、どの資産・負債を引き継ぐかを契約で決めるため、借入が売り手側に残ることもあります。経営者個人が連帯保証をしている場合は、保証の扱いを金融機関と話し合う必要があります。どの方法が適するかは借入額や資産の状況で変わるため、税理士やM&A支援機関などの専門家に確認してください。
Q. 居抜きで店を手放すのと、事業として引き継ぐのとでは何が違いますか?
A. 居抜きは、厨房設備や内装などの造作を次の借主に買い取ってもらう方法で、次の借主は自分で新たに営業許可を取るのが一般的です。事業として引き継ぐ場合は、屋号・常連客・スタッフ・レシピなども含めて営業そのものを譲るため、飲食店営業許可の地位の承継も使えます。どちらも店舗の貸主の承諾が前提になることが多く、原状回復の条件も確認が必要です。
参考にした公的な情報
- e-Gov法令検索(デジタル庁)「食品衛生法(第55条 営業許可、第56条 地位の承継、第57条 営業届出)」 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000233
- e-Gov法令検索(デジタル庁)「食品衛生法施行規則(第67条の2 譲渡による承継の届出、第71条 変更の届出)」 https://laws.e-gov.go.jp/law/323M40000100023
- 厚生労働省「旅館業法等改正法について(生活衛生関係営業等の事業譲渡による営業者の地位の承継)」 https://www.mhlw.go.jp/content/11130500/001166334.pdf
- 厚生労働省「旅館業法等における事業譲渡に係る規定の運用上の疑義について(令和5年11月29日通知)」 https://www.mhlw.go.jp/content/11130500/001173065.pdf
- e-Gov法令検索(デジタル庁)「民法(第612条 賃借権の譲渡及び転貸の制限)」 https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089
情報の確認日: 2026年9月24日
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