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赤字・負債がある旅館の売却と事業承継

旅館の売却・事業承継のご相談を承ります。赤字・債務超過・後継者不在の状況でも、選択肢を一緒に整理し、状況に合った専門家や公的な相談窓口をご案内します。

旅館の引き継ぎで評価されうる価値

温泉・建物の趣・おもてなしと常連客は、旅館ならではの資産です。再生型の引き継ぎで老舗の看板を残す方法も考えられます。

決算書の数字だけで決まるわけではありません

売却や引き継ぎの可能性は、直近の業績や財務内容だけで決まるものではありません。旅館で培った営業基盤・人材・許認可・取引先との信頼は、買い手にとって一から作れない価値として評価されることがあります。一方で、負債・滞納・保証の状況によって取れる方法は変わります。廃業してしまう前に、引き継ぐ選択肢があるかどうかを専門家と確認してみてください。

旅館の売却・承継で論点になること

旅館は、建物・温泉・景観と、長年の顧客や接客の評判が一体となった事業です。赤字や借入があっても、施設を活かして再生を図る事業者や地域の事業者が引き継ぎを検討することがあります。論点は、2023年12月から事業譲渡でも行政の承認を受ければ旅館業の許可を引き継げるようになった点、温泉の利用許可や源泉の権利、建物の耐震性・老朽化と改修資金です。

旅館の売却・承継で見られるポイント

赤字・負債があっても評価されうる点

  • 旅館業の許可を受けた施設。新たに建てて許可を取るより早く営業を始められる点が評価されることがあります。
  • 自家源泉や引湯の権利など、温泉を利用できる権利と浴場設備。
  • 景観・立地、建物の趣、客室数と宴会場・食事処などの設備。
  • リピーターや団体客、旅行会社やオンライン予約サイトでの評価と予約の経路。
  • 料理長・仲居・フロントなど、接客を担う人材。

買い手・専門家が確認することが多い点

  • 建物の耐震性と設備(ボイラー・配管・浴場・空調)の老朽化、改修にかかる費用。既存耐震不適格の大規模な旅館(3階以上かつ床面積5,000㎡以上)は耐震診断が義務付けられ、結果が公表されています。
  • 消防用設備等の設置・点検の状況と、増改築の履歴(建築確認・検査済証)。許可後に届出のない増改築があると、承認されず新規の許可を求められることがあります。
  • 源泉の所有者と利用の契約、湯量、温泉成分の分析と掲示の状況(温泉法第18条)。
  • 金融機関からの借入と、土地・建物の担保、経営者の個人保証の状況。
  • 予約済みの宿泊や前受金、旅行会社・予約サイトとの契約とアカウントの引継ぎ。
  • 日帰り入浴やレストラン営業など、宿泊以外の事業に必要な許可。

主な許認可と、引き継ぎ方による違い

会社ごと引き継ぐ「株式譲渡」と、事業だけを引き継ぐ「事業譲渡」では、許認可の扱いが異なることがあります。 要件や手続きは個別の事情・自治体の運用で変わるため、実際には所管の行政庁や行政書士などの専門家に事前確認が必要です。

許認可株式譲渡(会社ごと)の場合事業譲渡の場合
旅館業の許可(旅館・ホテル営業)旅館業法第3条・第3条の2〜第3条の4営業者(会社)は変わらないため、許可は続きます。代表者など申請書の記載事項に変更があれば、10日以内に保健所に届け出ます(旅館業法施行規則第4条)。2023年12月13日施行の改正で、譲渡人と譲受人がそろって都道府県知事等(保健所を設置する市・特別区では市長・区長)の承認を受ければ、譲受人が営業者の地位を承継できるようになりました。承認は譲渡の前に申請し、譲受人が欠格事由に当たらないかなどが審査されます。承継後6か月以内に、行政による業務状況の調査が行われます。合併・会社分割も事前の承認で、相続は死亡後60日以内に申請して承認を受ければ、地位を承継できます。許可後に届出のない増改築などがあり新規許可が必要と判断されると、承認されないことがあります。建築基準法・消防法上の確認の要否は、それぞれの担当部署に確認します。
温泉の利用許可温泉法第15条〜第17条許可を受けた会社は変わらないため、許可は続きます。事業譲渡による承継の規定はないため、譲り受けた側が新たに利用許可を受ける必要があります。合併・会社分割(温泉を公共の浴用などに供する事業の全部を承継させる場合)と相続は、都道府県知事の承認を受ければ地位を承継できます。源泉の権利や引湯の契約は許可とは別のものなので、契約上の承継の手続きも必要です。
飲食店営業許可(館内で食事を調理・提供する場合)食品衛生法第55条・第56条許可は続きます。代表者など記載事項の変更は保健所に届け出ます。2023年12月13日から、営業を譲り受けた人が許可営業者の地位を承継し、保健所に届け出ることができます。旅館業の許可とは別の許可のため、両方の手続きを確認します。
公衆浴場の許可(日帰り入浴などを行う場合)公衆浴場法第2条・第2条の2許可を受けた会社は変わらないため、許可は続きます。2023年12月13日から、浴場業を譲り受けた人が営業者の地位を承継し、遅滞なく届け出ることができます。宿泊者以外に入浴させる場合などに公衆浴場の許可が必要になることがあるため、現在の営業内容に必要な許可を保健所に確認します。

赤字・負債がある旅館で気をつけたいこと

旅館は建物と設備の維持に多額の費用がかかり、改修のための借入や、客室の稼働が落ちた時期の運転資金の借入が重なると、赤字から抜け出しにくくなります。一方で、土地・建物・温泉・許可が一体で残っていれば、改修して再生を図る事業者にとって検討の対象になることがあります。

2023年12月の旅館業法改正で、事業譲渡でも承認を受ければ許可を引き継げるようになり、営業を別の会社に移して再生を図る場合でも、許可の空白を避けやすくなりました。ただし、温泉の利用許可には事業譲渡による承継の規定がないため、譲り受けた側が改めて許可を受ける必要があります。

借入が大きい場合、返済条件の見直しや担保の扱いなど金融機関との調整が引き継ぎと一体で進むことがあり、事業の継続を前提とした再生の手続きを検討する場合もあります。税理士・弁護士などの専門家や公的な相談窓口に、早めに相談することが大切です。

旅館の売却・承継でよくある質問

Q. 旅館の許可は、事業譲渡で引き継げますか?

A. 2023年12月13日から、譲渡人と譲受人がそろって都道府県知事等の承認を受ければ、譲受人が旅館業の営業者の地位を承継できるようになりました。承認は譲渡の前に申請し、譲受人が欠格事由に当たらないかなどが確認されます。許可後に届出のない増改築があると、新規の許可が必要と判断されることもあります。承認の申請時期や必要書類は、管轄の保健所に早めに相談してください。

Q. 温泉の権利はどうなりますか?

A. 温泉を浴用に使うための「温泉の利用許可」は、事業譲渡では引き継げず、譲り受けた側が新たに許可を受ける必要があります。株式譲渡で会社ごと引き継ぐ場合は、許可を受けた会社が変わらないため続きます。自家源泉の権利や、他から湯を引く契約は許可とは別の権利なので、契約書や登記などで内容を確認し、引き継ぎの手続きを取り決めます。

Q. 建物が古く、耐震改修もできていません。それでも引き継ぎの対象になりますか?

A. 耐震性や設備の老朽化は、改修費として評価から差し引かれるのが一般的ですが、立地や温泉、客室の規模によっては再生を前提に検討されることがあります。耐震診断が義務付けられている大規模な旅館は結果が公表されているため、引き継ぐ側は結果と改修計画を確認します。改修の見積もりや、耐震改修の補助制度の有無を事前に整理しておくと、話を進めやすくなります。

参考にした公的な情報

情報の確認日: 2026年9月24日

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ご相談の流れ

  1. LINEで友だち登録

    匿名のままでも構いません。まずは友だち登録するだけでOKです。

  2. 状況のヒアリング

    チャットで現在の状況をお聞きします。決算書が手元になくても構いません。

  3. 選択肢と相談先のご案内

    売却・再生・承継・廃業などの選択肢と、相談先の候補(専門家・公的な窓口・譲り受けを希望する事業者など)をご案内します。無理な勧誘はしません。

  4. ご紹介先へおつなぎ

    ご希望の場合のみ、ご同意をいただいたうえでご紹介します。具体的な検討や契約は、ご紹介先と直接進めます。

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